- 旧木下家住宅(旧又野家住宅)
その1 修復保存決定まで-



旧木下家住宅(旧又野家住宅)は又野良助氏が住宅として昭和16年に建てられ、昭和27年に木下吉左右衛門氏の 住宅になりました。
建物は数奇屋造りを基調とし、主家、土蔵、納屋、使用人部屋などからなっています。
昭和戦前期に建てられた阪神間の和風住宅の典型、和室だけでは対応できなくなったこの時期のライフスタイルの 変化を示すものとして意義があるとされています。

平成12年木下氏のご遺族により県に寄贈されたあと、平成13年国の登録有形文化財に指定されました。

県は寄贈されたこの住宅を保存修理しお茶などの催しなどに使えるように活用することを決定しました。
風光明媚な舞子公園の西側に立地しているため、その修復工事方針は文化財保護のために 自然を犠牲にすることがないように「自然と歴史の共生」を目指すという方針で行われました。


修復保存、一般公開までの年表


1940年(昭和15年)  3月 又野良助氏が住宅として設計 地工開始
           5月 建築起工
           12月8日 上棟式
1941年(昭和16年)   8月15日 西棟を除いて竣工(入居)     
1943年(昭和18年)  10月 増築工事竣工
1952年(昭和27年)    5月 木下家に売却
1953年頃(昭和28年)  蔵を移築
1955年代(昭和30年) 納屋を増築
2000年(平成12年)  故木下吉治郎氏のご遺族から兵庫県に寄贈
2001年(平成13年)  9月 国の登録有形文化財に指定
2003年(平成15年)  6月 県が保存修復し体験学習施設に活用することに決定
2006年(平成16年)  12月 保存修復工事開始
2007年(平成19年)  7月29日  第一回見学会開催
           12月16日 第二回見学会開催
2008年(平成20年)  12月20日  最終見学会
2009年(平成21年)  10月24日 完成記念式典及び一般公開の開始



ー 竣工当時の面影を残す又野家の情景 ー
(写真提供は又野良助氏のご子息幸雄氏です。)



東側から見た屋敷の全景

中室から見た座敷、応接室

応接間から前庭を望む。
前庭の向こうに海が見えています。
そして今は移動して、前庭から望めなくなった
六角堂のとんがり屋根!


昭和26年5月撮影。
売却される前年の写真。

         屋敷入り口

★修復保存経過の記録は以下に続きます。

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